Q. オープンデータによって業務負担が増える原課の職員を説得し、理解を得るためには、どうしたら良いでしょうか?
行政データをオープンデータとして公開するためには、庁内の調整から始まり、データの選択と整形、カタログサイトへ掲載などを行う必要があります。作業の自動化支援ツールを使ったとしても、少なからず作業が発生するため業務負担は増えます。一方、公開したオープンデータが広く利用されるようになれば、オープンデータ化に要した新たな業務負担をカバーできるだけでなく、全体で見ると業務が効率化されます。
例えば、福岡市は情報公開請求が多い新規飲食店の営業許可施設一覧をオープンデータとして公開することによって、本一覧に関する情報公開請求件数をほぼゼロとすることができました。この福岡市のケースでは、オープンデータ化のコストよりも、情報公開請求に応えるコストの方が高かったため、全体として業務の効率化を実現することができました。
また、静岡市では、食品衛生関係許可に関する情報をオープンデータとして公開することにより、業務負担を年間300時間軽減することに成功しました。

食品衛生営業許可に係る情報公開請求件数(静岡市)
出典:VLED「第4回データ運用検討分科会(2017年2月13日)」静岡市プレゼン資料をもとに作成
オープンデータの利活用を促進し、全体の業務負担を軽減するためには、何らかの手段によって既にデータを自治体外部に提供しているデータに着目してみるのが1つの方法です。
例えば、
- 新規飲食店営業許可施設一覧などの情報公開請求の多いデータから公開する
- イベントデータなど、自治体から定期的に個別に事業者に提供しているデータから公開する
- ハザードマップや小学校区など、市民からの要望やビジネスニーズが強いデータから公開する
などが有効です。