展開地域名: 鹿児島県鹿児島市
解決すべき課題
中心市街地のにぎわい創出等を目的とした図書館を整備するにあたり、これまで図書館から遠のいていた市民をはじめ、若者やビジネス、ファミリー層などの利用拡大と、それぞれの目的に応じて、快適に利用できる図書館サービス、居心地のいい空間づくりの検討を進めた。
具体的には、以下のような課題の解決をめざした。
■ 図書館スタッフの新型コロナウィルス感染症等の感染リスク
■ 図書館スタッフの業務の省力化
■ 蔵書点検のための休館日の解消
■ 棚違いで配架された図書の効率的な検索・整理
■ 図書館スタッフの業務の省力化
■ 座席を確保するための行列や駆け込みの解消
■ 特定利用者による座席の長時間利用の解消
■ インターネットを利用した調査・研究の促進
解決の手法
令和4年4月に供用開始した天文館図書館において、利用者の利便性向上と効率的な管理運営を目的とし、図書館スタッフを介さず図書の貸出や座席予約、情報検索等を可能とするために、ICTを活用した図書館サービス・管理システムを導入して、新たな読書スタイルの浸透も図った。
解決における工夫点
■セルフ貸出機/蔵書点検・書架整理用タブレット
京セラコミュニケーションシステム㈱が開発した背表紙画像AI識別シス テムを国内で初めて導入しており、同時に10冊程度の図書の貸出処理が可能である。また、蔵書点検等の作業時間も大幅に短縮した。
■座席予約システム
館内には予約不要の自由に座れる席が約160席あるほか、座席予約システムにより管理された予約席が約90席ある。この予約席はウェブ上で空席状況がリアルタイムに把握でき、約半数の予約席は3日前からのウェブ予約が可能である。
1人の利用者が予約席を利用できるのは、30分単位の最大3時間/日までとした。週末は1万人以上の来館があるものの、同システムの導入により、多くの利用者の円滑な利用が可能である。
事例による成果
■ 令和4年4月9日~30日の間の入館者が145,000人に達し、中心市街地のにぎわい創出に寄与した。
■ 令和4年4月9日~30日の間の新規利用登録者数は、約3,800人であった。
■ 令和4年5月18日時点でのセルフ貸出機の利用率は約68%であった。
■ 蔵書点検の処理能力は、 1 タブレットにつき約 3,000 冊/時間、また蔵書点検に要する時間は従来の約 1/3 となり休館日の設定が不要になった。
■ 座席予約システムにより、令和4年5月18日の時点で、 座席に座れないという利用者からの苦情はなかった。
参考資料
本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 鹿児島県の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■2022年度 夏のDigi田甲子園 鹿児島県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/kagoshima.html
■鹿児島市立天文館図書館
http://lib.kagoshima-city.jp/tenmonkan/index.html
■令和4年3月29日(火曜日)市長定例記者会見
https://www.city.kagoshima.lg.jp/soumu/shichoshitu/kouhou/shise/shicho/kaiken/h30shicho/r4-0329.html
■AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE」
https://www.kccs.co.jp/ict/service/shelfeye/
■公共図書館初、鹿児島市立天文館図書館が画像解析AIによる蔵書点検・セルフ貸出システムを導入 ~セルフ貸出機において99.5%の精度で本の背表紙画像をAIが識別~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000009956.html
関連する図表・動画
■2022年度 夏のDigi田甲子園 鹿児島県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/kagoshima.html
事例に関する問い合わせ先
天文館図書館
099-295-0001
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