展開地域名: 新潟県三条市
解決すべき課題
■職員の数は限られており、更に今後の人口減少で職員が減る可能性がある。この状況での非効率な仕事の進め方の整理が課題であった。
●その一つの課題として、庁内のコミュニケーションは、電話やメールが中心であることだった。メールの文面は「お世話になっております。〇〇課の〇〇です」という挨拶文から始まり、気軽さやスピード感のあるやり取りができていなかった。
(KDDI「市役所の業務効率化に、企業派遣の人材と共に取り組む~新潟県三条市「地域活性化起業人」制度活用事例~」、TECH+「トップダウンで始まった新潟県三条市のDXはどうやって周囲を巻き込んだのか」参照。)
解決の手法
■本課題について、チャットで気軽に率直なコミュニケーションを図れるように対策として、ビジネスチャットツールの導入が検討され、令和 3 年 2 月に 「LINE WORKS」のテスト利用を実施。令和 3 年 4 月 1 日から全国初となる全職員を対象とした LINE WORKS の本格稼働を実施。チャット機能だけでなく、会議室予約やスケジュール管理を始めとした庁内の事務連絡をクラウド上で実施。
(TECH+「トップダウンで始まった新潟県三条市のDXはどうやって周囲を巻き込んだのか」参照。)
● 「LINE WORKS」はコミュニケーションツールでありながら、スケジュール共有などの多彩な機能がありグループウェアとしても活用できる点や、コミュニケーションアプリ「LINE」と似た操作性であるため、導入時の職員の負担を最小限に抑えられる点を評価し導入。また、PCやタブレットのほか、スマートフォンだけでもほとんどの機能が使える仕様となっている。
● 災害時の連絡ツールとしても「LINE WORKS」を活用し、防災活動に注力できる環境を実現。災害時での LINEWORKS 活用のため防災マニュアルを見直し、安否確認の連絡を LINE WORKS のトークで一斉に行うこととした。
・救護活動や避難住民への対応が最優先となる災害現場においては、電話は繋がりづらく、聞き間違えや聞き漏れなどが起こる可能性があった。そこで、各課に配備されている公用スマホに LINE WORKS のIDを付与、災害時にはその公用スマホを各避難所に配置することで、本部との連絡手段として利用。掲示板を活用することで、本部や市長からの指示や確定情報を一斉周知している。
(PR TIMES「新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入」参照。)
● これにより、平時のみならず、災害時でも迅速な情報共有を行い、行政サービスが滞らない体制を目指した。
解決における工夫点
● セキュリティの維持:
LINE WORKS の利用にあたり、インターネット系と行政系のネットワークを分離しており、個人情報を取り扱う行政ネットワークは、公開されたインターネットに接続できないようにし、安全にLINE WORKS を利用できる環境を構築した。
● LINE WORKS を三条市職員が活用する際の「三条市運用ガイドライン」を作成:
情報セキュリティ強化についてはもちろん、「職員間の連絡はトーク(チャット)を使う」「全職員への周知は掲示板を使う」といった使い分けに関するルールや、コミュニケーション促進のために以下のようなルールを設定:
・「メールのようなビジネスマナー(冒頭に相手の名前・役職名の記載、「お疲れ様です」、「お世話になっております」等の慣用句)は使わない。
・トークに対して、「了解しました」、「承知しました」等の慣用的な返信を不要とし、代わりにスタンプでの意思表示や、既読がついたことを確認済みとみなす(上司に対するスタンプの利用もビジネスマナー違反には該当しない)。
(三条市「「LINE WORKS(ラインワークス)」運用ガイドライン」参照。)
事例による成果
● LINE WORKS を利用した庁内のコミュニケーション効果について、以下のような評価があった:
・ほかの庁舎にいる職員や他部署の職員と速やかにやりとりできるようになり、大きなメリットを感じている。
(LINE WORKS「新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入 庁内コミュニケーションや防災業務を円滑化、ワクチン接種に関する医療機関とのスムーズな連携も実現」より。)
・LINE WORKS があったことで、在宅でも仕事場にいるのと同じようにコミュニケーションができた。
・ガイドラインで使い方のルールを決めたことで、“(上司とのコミュニケーションであっても)これで許されるんだな”ということが周知され、ハードルが下がり、コミュニケーションが活発化した。
(TECH+「トップダウンで始まった新潟県三条市のDXはどうやって周囲を巻き込んだのか」参照。)
● 防災コミュニケーションツールとしての効果:
・災害時の安否確認について、5 分以内に既読にならない職員にだけ電話連絡を行うスキームへと変更することで、安否確認にかかる時間を短縮し、防災活動に注力できるようになった。
(PR TIMES 「新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入」参照。)
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2021(令和3)年 2 月~継続運用中
参考資料
本事例は、「三条市 三条市のDXと働き⽅改⾰の取組」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■三条市
・三条市のDXと働き⽅改⾰の取組 更新日:2021年03月11日
https://www.city.sanjo.niigata.jp/soshiki/somubu/dxsuishinka/openknowledge/13711.html
ー「LINE WORKS(ラインワークス)」運用ガイドライン
https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/3/lineworksguideline-text.pdf
ーLINE WORKS 三条市運用ガイドライン
https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/3/lineworks_guideline_ver1-3.pdf
・LINEユーザーの個人情報管理不備に関する三条市のLINE WORKSの対応について 更新日:2021年03月19日
https://www.city.sanjo.niigata.jp/soshiki/somubu/dxsuishinka/13622.html
・報道資料3 全国初 LINEを使った庁内コミュニケーション 県内初 請求書等の押印廃止、電子契約の導入 令和3年3月11日
https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/2/kaiken20210311_3.pdf
・オープンナレッジ 更新日:2021年03月11日
https://www.city.sanjo.niigata.jp/soshiki/somubu/seisakusuishin/kohokocho/13529.html
・令和3年3月11日(木曜日)市長記者会見
https://www.city.sanjo.niigata.jp/soshiki/somubu/seisakusuishin/kohokocho/kishakaiken/kaiken_r2/13522.html
ー市長記者会見 令和3年3月11日(木)
https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/2/kaiken20210311_all.pdf
■LINE WORKS
・新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入 庁内コミュニケーションや防災業務を円滑化、ワクチン接種に関する医療機関とのスムーズな連携も実現 2021.11.24
https://line-works.com/pr/20211124/
・新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入 庁内コミュニケーションや防災業務を円滑化、ワクチン接種に関する医療機関とのスムーズな連携も実現 2021.11.24
https://line-works.com/pr/20211124/
・LINEのユーザー個人情報に関する一部報道における「LINE WORKS」への影響について
2021.03.17
https://line-works.com/pr/20210317/
■KDDI
・市役所の業務効率化に、企業派遣の人材と共に取り組む~新潟県三条市「地域活性化起業人」制度活用事例~ 2024/03/29
https://www.kddi.com/corporate/sustainability/regional-initiative/case-study/case43/
■TECH+
・トップダウンで始まった新潟県三条市のDXはどうやって周囲を巻き込んだのか
掲載日 2024/05/14
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240514-2943266/
■PR TIMES
・新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入 LINE WORKS 2021年11月24日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000254.000020202.html
■日経クロステック
・LINE WORKS導入の契機は1通のメールだった、三条市長が明かす「中身」 2021.07.19
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01651/071300015/
事例に関する問い合わせ先
総務部 DX推進課
電話 : 0256-34-5525 (直通)
お問い合わせフォーム:https://www.city.sanjo.niigata.jp/cgi-bin/inquiry.php/2
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