神奈川県横須賀市「横須賀市役所でChatGPTの全庁的な活用実証」

展開地域名: 神奈川県横須賀市

分野:
自治体組織内改革
キーワード:
自動化
業務効率化
ワークフロー
コミュニケーションツール
AI
IoT

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解決すべき課題

■少子高齢化により行政の業務が多様化するなかで、事務作業を効率化することで、人にしかできない福祉などに労力を注ぐ。

(NHK 横浜放送局 かながわ情報羅針盤「ChatGPT 横須賀市が試験運用1か月 成果や課題は?【詳しく】」参照。)

解決の手法

■横須賀市役所は、「ChatGPT」の全庁的な活用実証を行った(実証期間:2023 年4月 20 日~2023 年 5 月 29 日)。
(横須賀市「ChatGPT活用実証結果報告 令和5年6月5日」参照。)

● OpenAI社の ChatGPT の API 機能を ㈱トラストバンクが提供する自治体用専用「LoGoチャット」というビジネスチャットツールに連携。全職員が 日常的に業務で使用しているチャットツールで、文章作成、要約、アイデア創出などに活用できる。

● これにより業務の効率化が見込まれるとともに、広く職員が活用していくことで、さまざまなユースケースを生み出していくことを期待するもの。本取り組みは、市のスマートシティ推進とデジタル化戦略に沿い、職員がより価値のある仕事に集中することで市民の幸福を追求する目的で行われた。

解決における工夫点

・ChatGPT への入力情報が二次利用されない方式で使用し、また機密情報や個人情報は取り扱わない運用とし、情報の安全な取扱いを徹底した。

 ー2023 年 3 月 1 日に OpenAI の規約が変わり、API 連携で使う場合、送り込まれた各データは AI の学習に利用しないと明確な規約の変更があり、一定の安全性を担保するため ChatGPTのAPI機能の LoGoチャットへのAPI 連携を行った。

・技術的にChatGPTとLoGoチャットを繋げることができる職員、プログラムを書ける職員がいたことで、全国に先駆けて取り組めた。

(横須賀市「自治体初!横須賀市役所でChatGPTの全庁的な活用実証を開始(2023年4月18日)」、AIsmiley「第12回 ChatGPTを全庁で活用する(神奈川県横須賀市)【澤田光の行政×AI最前線】」参照。)

事例による成果

【ChatGPTの利用状況】

・利用日数(4月20日~) 41 日間

・ トークルーム数 (≒利用人数)1,913 件(分母:3,828 人)

・利用者率 50 %

・ボットに話しかけた数 計 25,897 件

【ポジティブな点】

・約半数の職員が実際に活用した。

・最終アンケート回答者のうち約 8 割の職員が「仕事の効率が上がる」「利用を継続したい」と回答。

・利用者ヒアリングの結果、業務短縮効果が認められた。

【ネガティブな点(最終アンケート結果より)】

・ChatGPT の利用用途に向かない「検索用途」での利用が約 3 割見られた。

・常に適切な答えがくるわけではない(6 %程度の職員が、概ね不適切な回答が返ってくると回答)。

⇒活用実証の結果、多くの職員が活用し、業務効率向上の実感や、継続利用の意向が高い一方で、ChatGPTへの質問や指示の仕方や、利用方法に課題があることが分かった。本格実装をしながら、今後の取り組みの中で、この課題の解決を図っていく。


【実証結果に基づく計画と成果】

❶ 横須賀市AI戦略アドバイザーを配置する。(6 月)
ChatGPT を含めた AI技術は急速に進化し、社会も急速に変化している。そこで、横須賀市は、この分野の第一線で活躍する「深津貴之」氏を AI戦略アドバイザーとして迎えることで、この変化に適応し、より適切な AIの活用を推進する。

→ 深津貴之氏が戦略アドバイザーとなっており、数々のプロジェクトに参画頂いている。

❷ 職員の更なるスキルアップを図る。(6 月~7 月頃予定)
AI戦略アドバイザーの監修による、横須賀オリジナルの「(仮称)GPT活用スキル強化プログラム」を導入し、職員の更なる活用スキル向上を図っていく。

→ 深津貴之氏が講師を務め、2023 年は オンラインライブの研修を2回実施した。ChatGPT についての基礎知識、ChatGPTがどう役立つか、生成AI とは等の内容について7 月と8 月に実施。希望参加型の研修で、2 回とも 400 名を超える職員が受講した。

❸ 市役所内プロンプトコンテストを実施する。(8 月予定)
GPTスキル強化プログラム実施後に、市役所内での新たな活用事例を掘り起こし、横展開していくため、職員を対象としたプロンプトコンテストを実施する。

→ 2023 年 11月にChatGPTを活用した好事例の横展開や職員のスキルの向上のため「ChatGPT活用コンテスト」を実施。52 件の応募の中から選出された 5 名が発表を行い最優秀賞等を決定した。
(横須賀市「横須賀市役所でChatGPT活用コンテスト開催!好事例を横展開へ(2023年11月22日)」参照。)

❹ ChatGPT-4 を導入する。
現在、横須賀市では Chat-GPT3.5-turbo を使っているが、より高度な文章生成や対話の能力がある、ChatGPT-4 を導入するための準備を進める。

→ 希望者にチャットGPT4を導入している。オンライン上で登録後に、1時間ほどで3.5から4に切り替わる仕組み。2023 年11月に実施した「ChatGPT活用コンテスト」での発表者はChatGPT-4利用者。

❺ 横須賀市のノウハウを積極的に他自治体に伝えていく。
4月 20 日に活用実証を始めて以降、100 を超える自治体からの問い合わせを頂いている。現在講演会等でも、横須賀市が蓄積した情報は積極的に公開している。
が、より深くその本質をお伝えするため、導入から活用までのノウハウをパッケージ化し、横須賀市という「生成AI開国の地」において、他自治体への研修を企画していく。

→ 2024 年 1 月 22 日~ 23 日 の 2 日間にわたり横須賀市役所本庁舎 5 階正庁にて、全国の自治体、企業向けの宿泊型の研修を実施。定員 60 名のところ、北は北海道、南は沖縄から、104 名(85 団体)の応募があった。

(横須賀市「全国初 生成AI開国の地横須賀で、全国の自治体、企業向けに「横須賀生成AI合宿」を実施」参照。)

 実施内容:

 【1日目】生成AIトップランナーによる講演会

 ・深津貴之氏(ChatGPTの概要と仕組み、基本的な使い方、ユースケースなど)
 ・ハヤシシュンスケ氏(プロンプトの可能性や応用範囲)
 ・田島将太氏(地方の課題にどう生成AIを使っていくか)
 ・横須賀市事例紹介

 【2日目】生成AI活用ワークショップ

 ・ファシリテーター 深津貴之氏

(横須賀市「全国初 生成AI開国の地横須賀で、全国の自治体、企業向けに「横須賀生成AI合宿」を実施」参照。)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2023 年 4 月~継続運用中

参考資料

本事例は、「横須賀市 ChatGPTの全庁的な活用実証の結果報告と今後の展開(市長記者会見)(2023年6月5日)」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■横須賀市

・ChatGPTの全庁的な活用実証の結果報告と今後の展開(市長記者会見)(2023年6月5日)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/20230605_chatgpt2.html

 ーChatGPT活用実証結果報告 令和5年6月5日
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/documents/yokosuka-chatgpt-2-houkoku.pdf

・全国初 生成AI開国の地横須賀で、全国の自治体、企業向けに「横須賀生成AI合宿」を実施 更新日:2024年1月19日 ページID:105191
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/20240119_ai_gasshuku.html

・横須賀市役所でChatGPT活用コンテスト開催!好事例を横展開へ(2023年11月22日)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/20231122_gptcontest.html

・8ch ChatGPT活用コンテスト ページID:104629 令和5年11月22日
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0832/yokosuka-channel/8ch/20231122.html

・自治体初!横須賀市役所でChatGPTの全庁的な活用実証を開始(2023年4月18日)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/20230418_chatgpt.html

 ー自治体初!横須賀市役所で ChatGPT の全庁的な活用実証を開始 令和 5 年(2023 年)4 月 18 日(PDF)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/documents/yokosuka-chatgpt.pdf

・自治体初!ChatGPTを活用した、他自治体向け問い合わせ応対ボットの運用開始(2023年8月16日)
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/20230816_jichitaibot.html

■産経新聞

・横須賀市、生成AI導入支援で他自治体向け研修合宿を開催 チャットGPT活用事例を共有 2024/1/22
https://www.sankei.com/article/20240122-IRB23K5UBZP23GMMHKQGMP54FI/

■AIsmiley

・第12回 ChatGPTを全庁で活用する(神奈川県横須賀市)【澤田光の行政×AI最前線】 2023/10/11
https://aismiley.co.jp/ai_news/sawada-gov-ai-12/

■毎日新聞

・「普及に一役買いたい」 横須賀市、チャットGPT使用事例集公表へ 2023/4/25
https://mainichi.jp/articles/20230425/k00/00m/040/156000c

■日テレNEWS

・【試験導入】市役所業務にチャットGPT 横須賀市が自治体で初
https://www.youtube.com/watch?v=MQWow4-h_BM

■日経X

・横須賀市・つくば市が全面導入、ChatGPTは人手不足に悩む自治体の救世主になるか 2023.05.19
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02423/051500022/

■NHK 横浜放送局 かながわ情報羅針盤

・ChatGPT 横須賀市が試験運用1か月 成果や課題は?【詳しく】 2023年06月05日
https://www.nhk.or.jp/shutoken/yokohama/article/013/50/

関連する図表・動画

● 横須賀市 8ch ChatGPT活用コンテスト
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0832/yokosuka-channel/8ch/20231122.html

事例に関する問い合わせ先

経営企画部 デジタル・ガバメント推進室
Tel: 046-822-8130(直通) 6013 (内線)

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