東京都豊島区「視覚障害者のための音声ナビゲーションシステム「shiKAI」を活用した移動支援」

展開地域名: 東京都豊島区

分野:
福祉
キーワード:
IoT
スマホアプリ活用

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解決すべき課題

■視覚障害者の外出時のけがについて、2016 年と 2019 年の調査を比較したところ、「ある」と回答した割合は 5.8 % 増加した一方で、「ない」と回答した割合は前回調査に比較し、12.3 % 減少した。また、視覚障害者のけがの経験率は他の障害者と比較しても極めて高くなっている。

● 2010 年と 2019 年の調査における外出時におけるけがの原因を比較すると、「歩道などの段差」「歩道上の障害物」の割合が高い傾向があり、歩行時における安全性の確保が課題となっている。

(豊島区「豊島区セーフコミュニティ年間活動レポート 2021」参照。)

解決の手法

■調査結果を受け、視覚障害者を対象とした情報伝達手段の拡充の検討を行い、音声による移動支援アプリ「shikAI(シカイ)」の導入を決定、2021 年 4 月から運用開始。東池袋駅から豊島区役所本庁舎、さらに東池袋駅から豊島区立中央図書館の 2 ルートにおいて、音声による道案内を行う。専用システムを活用した移動ルートの音声案内システムの取り組みは全国自治体初。

● 東池袋駅は、区役所と地下道で接続しており、駅から公共機関への案内がスムーズに行うことが可能となることから、民間のマンション管理組合の協力のもと、東京メトロの取り組みと連携し、「shikAI」システムを区役所の入口まで導入することとなった。

(豊島区「豊島区セーフコミュニティ年間活動レポート 2021」、「全国自治体で初の導入!視覚障害者の移動を支援!移動支援アプリ「shikAI」によるナビゲーションシステムの運用を4月1日より開始」参照。)

● shikAI:

・駅構内の点字ブロックに設置された QRコードを iPhone のカメラで読み取ることにより、現在地から目的地までの駅構内の移動ルートを導き出し、音声で案内する視覚障害者ナビゲーションシステム(リンクス ㈱ 提供)。東京メトロでは 2021 年 1 月より、ホームドアが整備され、視覚障害者の利用が多い副都心線西早稲田駅など計 5 駅で本格的に導入。

(豊島区「全国自治体で初の導入!視覚障害者の移動を支援!移動支援アプリ「shikAI」によるナビゲーションシステムの運用を4月1日より開始」、PR TIMES「視覚障がい者ナビゲーションシステム「shikAI」のサービスが本格始動!東京メトロの駅構内にてご利用いただけます!」参照。)

・shikAIアプリケーションは iPhone 向けに作られている。画面読み上げ機能が標準装備されおり、視覚障者には iPhoneユーザーが多いという現状を考慮したもの。(リンクス株式会社「shikAI」参照。)

● shikAIの利用方法

<初期設定>

・ios14.0以降対応のiPhoneでアプリ「shikAI」をダウンロードし、アプリを起動後アカウントを登録。

・登録したメールアドレスに利用案内のメールが届き、利用案内に沿って必要事項を入力する。後日歩行指導員から電話にて、アプリ説明日程の案内がある。

・歩行指導員からのアプリの操作方法の説明受け、アプリの認証キーが付与されると利用できるようになる。

(豊島区「視覚障害者に向けた移動支援アプリによる音声案内の運用を開始しました」参照。)

<アプリの実際の利用方法>

・「shikAI」アプリを起動。※VoiceOver機能を有効にして操作する。

・メインメニューでナビゲーションを選択し、ナビゲーションメニューが表示されたら、点字ブロック上の QRコードを読み込む。

・QRコードを読み込むと目的地選択画面が表示され、目的地のカテゴリ、目的地を順に選択する。

・目的地が選択されると画面がナビゲーションメニューに戻り、音声ガイドが開始される。

・ガイドに従い点字ブロックに沿って移動し、移動先の QRコードを読み込むと次の移動先への音声ガイドが提供され、目的地までナビゲートする。

(PR TIMES「視覚障がい者ナビゲーションシステム「shikAI」のサービスが本格始動!東京メトロの駅構内にてご利用いただけます!」参照。)

解決における工夫点

● 視覚障害者当事者団体からの「新型コロナウイルスの影響により、駅利用者に声を掛けて支援を求めることが難しくなった」「駅員が一人体制の時には目的地までの誘導を頼みにくい」といった意見を反映。

● 駅全体をデジタル化して自分の位置や向いている方角が正確にわかるようにしてあるシステム設計。

・たとえば、「shikAI」に駅のトイレを指示すると、「右5メートル」「下り階段です。10段あります」「直進5メートル」「トイレに着きました」など、ポイントごとに正確にナビゲーションしてくれる。

・ルートから外れると、「誤った方向に進んでいます」と教えてくれ迷わないようになっている。

(PORT「誰もやらなかった、点字ブロック×QRコードによる駅のデジタル化。視覚障がい者の移動に資する「shikAI」|リンクスと東京メトロのオープンイノベーション事例」参照。)

事例による成果

● 利用者からは方向、距離、階段の位置等を音声でガイダンスしてくれているので安心といった評価があった。

● 視覚障害者はiPhoneのナビゲーション機能を音声読み上げ機能とともに、使いこなしている。

(豊島区公式 としま ななまるチャンネル「視覚障がい者ナビゲーションシステム「ShikAI」が東池袋駅で本格始動」(動画)参照。)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2021 年 4 月~継続運用中

参考資料

本事例は、「豊島区 豊島区のデジタル化(DX)の主な取り組み事例」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■豊島区

・豊島区のデジタル化(DX)の主な取り組み事例
https://www.city.toshima.lg.jp/497/kuse/electronic/dx/2109061621.html

・視覚障害者に向けた移動支援アプリによる音声案内の運用を開始しました 更新日:2021年5月10日
https://www.city.toshima.lg.jp/171/kenko/shogai/2103241620.html

・会議録 令和3年度 池袋駅地区バリアフリー基本構想推進協議会
https://www.city.toshima.lg.jp/549/documents/kaigiroku.pdf

・全国自治体で初の導入!視覚障害者の移動を支援!移動支援アプリ「shikAI」によるナビゲーションシステムの運用を4月1日より開始 更新日:2021年3月30日
https://www.city.toshima.lg.jp/013/kuse/koho/hodo/r20302/2103301316.html

・豊島区セーフコミュニティ年間活動レポート 2021
https://www.city.toshima.lg.jp/022/bosai/026636/annual-report/documents/report2021.pdf

●豊島区公式 としま ななまるチャンネル

・視覚障がい者ナビゲーションシステム「ShikAI」が東池袋駅で本格始動
https://www.youtube.com/watch?v=k8fU8OxR0KM

■リンクス株式会社

・会社概要
https://www.linkx.dev/company

・shikAI
https://www.linkx.dev/shikai

■App Store

・App Storeプレビュー shikAI
https://apps.apple.com/jp/app/shikai/id1542150781

■PR TIMES

・視覚障がい者ナビゲーションシステム「shikAI」のサービスが本格始動!東京メトロの駅構内にてご利用いただけます! LiNKX 2021年1月18日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000065786.html

■PORT

・誰もやらなかった、点字ブロック×QRコードによる駅のデジタル化。視覚障がい者の移動に資する「shikAI」|リンクスと東京メトロのオープンイノベーション事例 2021年7月15日
https://port.creww.me/crewwnews/88836

関連する図表・動画

●豊島区公式 としま ななまるチャンネル
・視覚障がい者ナビゲーションシステム「ShikAI」が東池袋駅で本格始動
https://www.youtube.com/watch?v=k8fU8OxR0KM

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