展開地域名: 宮城県
解決すべき課題
■我が国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されている。今後 20 年間で、建設後 50 年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みであり、このように一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められている。
（国土交通省 社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト インフラメンテナンス情報 より。）
●建設後 50 年以上経過する社会資本の割合（2020 年度算出）
2020 年 3 月 2030 年 3 月 2040 年 3 月
道路橋［約 73 万橋（橋長 2 ｍ以上の橋）］ 約 30 ％ 約 55 ％ 約 75 ％
トンネル［約1万1千本］ 約 22 ％ 約 36 ％ 約 53 ％
河川管理施設（水門等）［約 4 万 6 千施設）〕 約 10 ％ 約 23 ％ 約 38 ％
下水道管きょ［総延長：約 48 万ｋｍ］ 約 5 ％ 約 16 ％ 約 35 ％
港湾施設［約 6 万 1 千施設］ 約 21 ％ 約 43 ％ 約 66 ％
（水域施設、外郭施設、係留施設、臨港交通施設等）
（国土交通省 社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト インフラメンテナンス情報「社会資本の老朽化の現状」より。）
●今まさに、インフラ点検と結果の可視化、共有が急務となっている。
（株式会社ＳＲＡ東北「AI（人工知能）技術を駆使したサビの劣化度判定サービス「JUDGE」」、経済産業省 東北経済産業局「「TOHOKU DX大賞 受賞事例集」を作成しました」事例案件動画紹介 参照。）
●インフラメンテナンスの業務課題：
・故障前・後の早期検知
・非属人化への対応
・効率化への対応
・設備状況が見えない
（株式会社ＳＲＡ東北「THE JUDGE」より。）
解決の手法
■ ㈱ SRA東北は、IBM Watson を活用して劣化度を判定し、鉄塔のサビの劣化状況結果を可視化、分析する AI・IoT インフラメンテナンス プラットフォーム「THE JUDGE」を開発。
「THE JUDGE」はWatson の画像認識 API である Visual Recognition の高い画像解析能力を活かし、鉄橋や鉄骨など、インフラ設備に使われている鉄骨のサビ具合を色味や形から判定する。本サービスを利用することにより点検の効率化ができ、その結果を利用した戦略的なインフラ維持管理が可能となる。2019 年より運用を開始、AI を活用した日本で初のシステムとなった。
（株式会社ＳＲＡ東北「AI（人工知能）技術を駆使したサビの劣化度判定サービス「JUDGE」、Livedoor News「AIをビジネスにつなげていく」東北のIT企業がインフラ劣化度検査アプリ「THE JUDGE!」を開発したワケ」参照。）
●THE JUDGE の特徴
・持ち運び可能なポータブルAI：
スマートフォンで AI の利用が可能。街中から作業現場まで AI を持ち運ぶことができる。
・AIプラットフォーム：
AI の判定データを戦略的に有効活用できるプラットフォーム。スマートフォンアプリから GPS 機能での位置情報、検査画像、判定結果をアップロードし、データの可視化が可能。
・AI 学習サポート：
AI の判定精度向上のため、継続的な学習サポートを行う。AI の判定精度を検証し、必要に応じて学習データの追加や AI のメンテナンスを行う。
・衛星写真・航空写真AI：
航空写真・衛星写真からデータを収集し、独自の AI を開発することが可能。住宅やビルなど、いろいろな対象のデータを収集することが可能。
・リアルタイム物体検出AI：
スマートフォン端末で、リアルタイム物体検出が可能。マーケティングカメラ、防犯カメラとしてレコーダー不要のクラウド型カメラとして利用できる。
（株式会社ＳＲＡ東北「JUDGE！」より。）
事例による成果
● 鉄塔のサビの腐食度、劣化度を AI による分析に成功
● 専用アプリの開発や画像システムの整備によって、現場の業務負担を軽減。
● 約 400 時間もかかっていた塗料計画の策定が、80 時間まで短縮された。
（経済産業省 東北経済産業局「TOHOKU DX 大賞 受賞企業 事例集」より。）
●受賞歴：
・「TOHOKU DX 大賞2021」（東北経済産業局主催）の「製品・サービス部⾨」にて優秀賞を受賞（2021 年 11 月）
・「Watson Build 2018」（IBM主催）にて IBM Watson（AI/人工知能）による「AI・IoT インフラメンテナンス プラットフォーム「THE JUDGE」」のビジネスプラン・サービスで日本ラウンド準優勝（2018 年 12 月）
（株式会社SRA東北「IBM Watson Build 2018 日本ラウンド準優勝を獲得！」、IBM「Watson Buildコンテスト: IBMパートナーの戦い」参照。）
【今後の展望】
累積した画像データから、劣化度の推移や劣化度予測の仕組みを整える。それにより、適切なタイミングでの塗装に繋げるといったメンテナンスの高度化を目指すとともに、鉄塔以外での AI の活用を模索する。
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2019 年～継続運用中
参考資料
本事例は、「経済産業省 東北経済産業局 TOHOKU DX 大賞 受賞企業 事例集」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■経済産業省 東北経済産業局
・TOHOKU DX 大賞 受賞企業 事例集
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_joho/topics/pdf/220523.pdf
・「TOHOKU DX大賞 受賞事例集」を作成しました 2022年05月23日
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_joho/topics/220523.html
・TOHOKU DX大賞；求む！Digitalの挑戦者達 TOHOKUのX（変革）へ
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_joho/index_dx.html
・「東北におけるDXへの挑戦 TOHOKU DX大賞2021受賞企業の事例紹介」を展示しております 2022年09月08日
https://www.tohoku.meti.go.jp/info_plaza/topics/220908.html
・Press Release 2021 年 11 月 18 日「TOHOKU DX 大賞」受賞者を決定しました
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_joho/topics/pdf/211118.pdf
■国土交通省
・国土交通省PPP/PFI（官民連携）
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanminrenkei/1-1.html
・令和２年度版 官民連携事業（ＰＰＰ／ＰＦＩ）のすすめ
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanminrenkei/content/001449338.pdf
・第1節 持続可能で活力ある国土・地域づくりをめぐる現状と課題
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h23/hakusho/h24/html/n1216000.html
・先導的な事例に学ぶ、PPP/PFIセミナー（平成27年1月28日～2月13日）
国土交通省のPPP/PFIへの取組みと案件形成の推進
https://www.mlit.go.jp/common/001090778.pdf
・参考資料１－２ 重点目標１：社会資本の戦略的な維持管理・更新を行う 政策パッケージ１－１：メンテナンスサイクルの構築による安全・安心の確保とトータルコストの縮減・平準化の両立
https://www.mlit.go.jp/common/001102053.pdf
・第6回インフラメンテナンス大賞_チラシポスターA4-A1
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001471225.pdf
●社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト インフラメンテナンス情報
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html
・社会資本の老朽化の現状
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/_pdf/roukyuukanogenjou.pdf
・インフラメンテナンス大賞
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/03activity/03_award_04.html
■株式会社ＳＲＡ東北
https://www.sra-tohoku.co.jp/
・会社概要
https://www.sra-tohoku.co.jp/company/index.html/
・JUDGE！
https://www.sra-tohoku.co.jp/solution-judge/
・THE JUDGE
https://www.sra-tohoku.co.jp/the-judge
・AI（人工知能）技術を駆使したサビの劣化度判定サービス「JUDGE」
https://www.sra-tohoku.co.jp/judge
・日本初！！SRA東北が「第4回インフラメンテナンス大賞 経済産業大臣賞」を受賞しました！
https://www.sra-tohoku.co.jp/infra-award
・電力業界初 ＡＩを活用した送電鉄塔の「腐食劣化度診断システム」の運用開始について
2019.11.28
・IBM Watson Build 2018 日本ラウンド準優勝を獲得！ 2018年12月7日
https://www.sra-tohoku.co.jp/ibm-watson-build-2018-2/
■IBM
・Watson Buildコンテスト: IBMパートナーの戦い
https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/partner-watson-build/
■Livedoor News
・「AIをビジネスにつなげていく」東北のIT企業がインフラ劣化度検査アプリ「THE JUDGE!」を開発したワケ - BLOGOS編集部PR企画 2022年3月30日
https://news.livedoor.com/article/detail/22256605/
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