展開地域名: 新潟県長岡市
解決すべき課題
■山古志地域は、中山間地域にある小さな村で、平成の市町村合併を経て、現在は長岡市の一部となっている。2004 年の震災発生当時約 2,200 人いた地域住民は、今や約 800 人となり、高齢化率は 55 ％を超えた。山古志の価値を問い、国や物理的制約を越えた共感者コミュニティを形成することにより地域を存続させることが課題。
（NFT NEWS Japan「NFTで地域活性化。人口800人の限界集落「山古志」の新しい挑戦。」、NFT Media「世界初。人口800人の限界集落が「NFT」を発行する理由 」参照。）
解決の手法
■コロナ禍をはじめとした地域をとりまく社会変化、過疎・高齢化の進展等の現状を打破すべく、バーチャル上に、人・モノ・金・情報が継続的に集まるコミュニティ「山古志」を形成し、現実の山古志地域にある地域課題の解決策や地域活性化を、地域住民とともに検討し実践していく取組を実施。
●具体的な取り組み：
・錦鯉をシンボルにした「デジタルアート」、山古志地域の「電子住民票」として、NishikigoiNFT(※）を発行。リアル村民に NFT を無償配信。地域外からの登録/参画を募り、デジタル関係人口を巻き込んだ地域づくりを展開する 。
※NFT：「Non-Fungible Token」の頭文字を取ったもので、「代替不可能なトークン」、唯一無二（一点のもの）の価値を指す。
・また、自主財源を自由に活用できるよう、継続的な資金調達方法を構築し、それらを実行することで、人々の自治意識の変革を目指す。
・デジタル村民とともに、新たなコニュニティ、山古志DAO（※）を結成。NFT ホルダーであるデジタル住民専用のコミュニティを Discord で展開し、メンバーからの意見の集約、投票など、可能な限り民主的な手法を取り入れた地域づくりを目指す（「NFT NEWS Japan「NFTで地域活性化。人口800人の限界集落「山古志」の新しい挑戦。」より）。
※DAO：「Decentralized Autonomous Organization」の頭文字を取ったもので、「ダオ」と呼ばれる。一般的に「分散型自立組織」と訳される。株式会社などの従来型組織とは異なり、組織の代表者が存在せず、インターネットを介して誰でも自由に参加、平等な立場で運営される。（三菱UFJリサーチ＆コンサルティング「DAO（ダオ）」より。）
・「山古志デジタル村民総選挙」を開催し、プロジェクトを募集。NFT の売上の一部を活動資金として付与する（NFT 初期売上：14,490,000 円 / 41.4 ETH ー 35 万円想定）。総選挙で決まったプロジェクトは、次のようなデジタル上のものや、リアル山古志を舞台にしたものがある：
① メタバース山古志：山古志が仮想空間上に出現。デジタル村民の交流の場に。
② 世界で一番 NFT を集める村：様々なFTを購入（または寄贈）。村の共有財産にすることを目指す。
③ 山古志滞在プラン：デジタル村民の"里帰り”。リアル山古志の楽しみ方を考案。
・また、山古志にとって最も大切な日をリアル村民とデジタル村民が思いを一つに作り上げた。
解決における工夫点
・NFT を用いる事で山古志を中心としたボーダレスな関係性を育み、新たな地域づくりの可能性を模索している。
・住民もデジタル村民も地域の主体とし、立場や物理的制約を超えたフラットな共同体参画を可能としている。
・デジタル住民票という概念と、複数のユーティリティを兼ね備えることで、多様な地域参画を可能としている。
（GOOD DESIGN AWARD「GOOD DESIGN BEST 100 NFTを含む山古志住民会議の取り組み」参照。）
事例による成果
● 発行から約 1 年で、デジタル村民人口がリアル村民人口（約 800 人）を超えた。
ー日本国内を中心に、世界各地から、山古志の今後について、共に考え、行動してくれる仲間の輪が広がった。
● SNS やメディアでも話題に上った。
ー『web3ｘ地方創生』の先進事例として広く認知され、メディアの取材や、国の審議会等での事例紹介等、露出機会が増えた。
● NFT 初期売上：41.4 ETH / 14,490,000 円（ 1 ETH＝35 万円を想定）
（デジタル庁「デジタル村民とはじめる｢集落存亡｣をかけた挑戦～NFTを含む山古志住民会議の取り組み～」より。）
● 本取り組みは、2022年度 冬のDigi田甲子園「審査委員評価結果」9 位に選出。
● 他、以下の賞を受賞：
・「NFTを含む山古志住民会議の取り組み [NFTを含む山古志住民会議の取り組み]」において「2022年度 グッドデザイン賞ベスト100」受賞。
（GOOD DESIGN AWARD「GOOD DESIGN BEST 100 NFTを含む山古志住民会議の取り組み」より。）
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2021 年 12 月～継続運用中
参考資料
本事例は、「2022年度 冬のDigi田甲子園 NFT×限界集落～デジタル村民と挑戦する新たな村づくり～」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN
●2022年度 冬のDigi田甲子園
・NFT×限界集落～デジタル村民と挑戦する新たな村づくり～
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/0042.html
・冬のDigi田甲子園 結果発表
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/index.html
■政府インターネットテレビ
・【山古志DAO】NFT×限界集落～デジタル村民と挑戦する新たな村づくり～
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg26016.html
■デジタル庁
・デジタル村民とはじめる｢集落存亡｣をかけた挑戦～NFTを含む山古志住民会議の取り組み～
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/310a3efc-1d83-4d41-b8ac-9ec030314eed/b6a968b8/20221118_meeting_web3_outline_01.pdf
■note
・山古志住民会議
デジタル村民のススメ 限界集落とNFTとDAO
https://note.com/yamakoshi1023/n/n6560e0bf425f
■Nishikigoi NFT
https://nishikigoi.on.fleek.co/
■Discord:Nishikigoi NFT
https://discord.com/invite/zsUgXYCq7D
■OpenSea
https://opensea.io/collection/nishikigoi-nft
■facebook
・山古志住民会議
https://www.facebook.com/yamakoshi1023/
■長岡市
・世界初 人口800人の限界集落が「NFT」を発行する理由 仮想山古志プロジェクト
https://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/cate08/file/inobetiku-06.pdf
■内閣府 防災情報のページ
https://www.bousai.go.jp/
・平成１６年（2004年）新潟県中越地震について 平成２１年１０月２７日
１３時３０分現在 内 閣 府
https://www.bousai.go.jp/updates/pdf/jishin_niigata_64.pdf
■三菱UFJリサーチ＆コンサルティング
・DAO（ダオ）
https://www.murc.jp/library/terms/ta/dao/
■NFT NEWS Japan
・NFTで地域活性化。人口800人の限界集落「山古志」の新しい挑戦。2022.01.30
https://nft-news-japan.jp/nft-trend/2008/
■NFT Media
・世界初。人口800人の限界集落が「NFT」を発行する理由 2022年10月2日
https://nft-media.net/regionalrevitalization/note_yamakoshi/5460/
■MVJ METAVERSE JAPAN
・組織情報
https://metaverse-japan.org/organization/information/
・「メタバース山古志」が始まった経緯
https://metaverse-japan.org/japan-empowerment-summit-2023/nishikigoi-nft/
■GOOD DESIGN AWARD
・GOOD DESIGN BEST 100 NFTを含む山古志住民会議の取り組み
https://www.g-mark.org/award/describe/54462
関連する図表・動画
●デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・42.【山古志DAO・新潟県】NFT×限界集落～デジタル村民と挑戦する新たな村づくり～
https://www.youtube.com/watch?v=qaaec1sv_iw
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