展開地域名: 鹿児島県肝付町
解決すべき課題
■20 年で半減という急速な人口減少と、その半数が 65 歳以上という極端な高齢化に対し、付随して発生する課題への対処を続けていく結果、地域社会の疲弊は加速度的に進行し、もはや「肝付町」を維持できなくなる可能性が高い。
地域社会を持続的に維持・発展させるためには、不足する労働力を補い、多発する課題に対処するために、ICT の利活用が必要不可欠。
(総務省『「ITふれあいカフェin肝付町」の取り組みについて』より。)
● 地域でともにデジタルについて学ぶ機会とコミュニティがない:
インターネットを活用した利便性の高い製品やサービスが普及しているためにそれらを利用する意欲は高く機会も多いが、基礎となる技術や操作方法について支援を受けて学ぶ機会とコミュニティが身近にないために、過度なサービスによる必要以上の金銭的な負担や悪意のある誤った情報に操作されるなど、一定数の住民が利用に関する疑念と不安が解消されずに
デジタル社会の適切な恩恵を享受することができない。
● 学校教育における ICT のナレッジが蓄積されない:
GIGAスクール構想や教員の働き方改革にむけた様々な ICT 活用が求められているが、定期的な教職員の異動や PTA 役員の変更により ICT 利活用の方法と進度が一定せずに学校全体の知見が蓄積されにくい。
解決の手法
■平成 23 年度、地域情報インフラとして町内全域(全集落)に光ケーブル整備。平成 28 年度には防災・観光拠点など 23 ヶ所・36 基の無料Wi-Fiアクセスポイントを整備。令和 2 年度には設置個所を追加。整備したインフラの利活用を進める継続的な受け皿組織として、平成 23 年度にNPO法人きもつき情報化推進センターが設立。
(総務省『「ITふれあいカフェin肝付町」の取り組みについて』参照。)
● NPO 法人きもつき情報化推進センターが地域のイベント運営コミュニティ「fluer lab.」と協働して、住民がデジタルの困りごとを相談できる「ITふれあいカフェ」、子どもたちのプログラミングを通じた創作の場となる「ICT クラブ」、GIGAスクールにおける学校現場の支援を行う「GIGA サポート」など、地域におけるデジタルの学び場の運営を行うことで、地域における多世代のデジタル利活用を支援する。
スタッフは主にデジタルについて専門的な立場にはなく、学び場の運営を通して地域でともに学び合う仕組みづくりを行っている。
この取組の動機となったのは、2014 年に独り暮らしの高齢者と地域との繋がりを維持することを目的としたスマートフォンによる SNS 講座を行ったところ、想定を超える多くの参加希望があり高齢者も利活用の意識が高いことがわかったことと、小学校におけるプログラミング教育の必修化と GIGAスクール構想の実現に向けて、地域でも継続的に学び支える環境づくりが必要であると考えたことによる。
解決における工夫点
● 参加継続しやすい仕組みづくり:
利用者が継続して学びやすくデジタルに触れやすい環境を構築するために参加する敷居を低くすることを意識しており「IT ふれあいカフェ」では用事がなくても立ち寄れて何度でも同じ相談ができる雰囲気を作り、「ICTクラブ」では連続して参加できなくても活動できる仕組みを作っている。
● 多様な協力者と視点を持つ体制づくり:
地域のマルシェイベントを行う団体と連携することで、体育大学生や幼稚園教諭、主婦や美容サロン経営者などこれまでの ICT 推進の取り組みには縁遠かった層の協力者を呼び込み、多様な発想と視点を取り入れている。
● 情報を効率的に集約し共有する仕組みづくり:
多様な協力者とのコミュニケーションにはコラボレーションツールを活用しており、それぞれの会場と担当者の調整や利用者の情報などを効率的に集約し共有している。集約されたデータを基に町と分析協議し施策に反映させる仕組みづくりを行っている。
事例による成果
● ボランティア協力者の人数(H30~R3 年度)※H29 以前は不明 ー 25 名
● IT ふれあいカフェ(H25~R3 年度)ー 開催数 149 回、利用者 延べ 1,330 名
● ICT クラブの開催回数と参加者数(H30~R3 年度)ー 開催数 52 回、参加者 延べ 223 名 ※H30,R1 は不明
● ICT 支援員による支援回数(R2~R3 年度)ー 支援校 10 校、支援回数 413 回、1,504 時間
【今後の展望】
● 地域 DX の中間的支援組織としての成長に向けた体制づくり
・公的機関や外部専門家との連携を通じてより専門的な支援に繋げる。
・コンテストや起業家育成に繋がるワークショップなどの機会創出。
・シビックプライドの醸成に繋がる教育コンテンツの開発支援。
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2014 年~継続運用中
参考資料
本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 鹿児島県の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN
●2022年度 夏のDigi田甲子園
・鹿児島県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/kagoshima.html
・推薦調書
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/pdf/46-3.pdf
●デジ田メニューブック
・地域のNPO法人が繋ぐデジタルの学び合い
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/menubook/2022_summer/0156.html
■政府インターネットテレビ
・鹿児島県肝付町|地域のNPO法人が繋ぐデジタルの学び合い|夏のDigi田甲子園
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24928.html?nt=1
■総務省
・「ITふれあいカフェin肝付町」の取り組みについて 2021年3月23日 鹿児島県肝付町
https://www.soumu.go.jp/main_content/000743463.pdf
■鹿児島県
・「夏のDigi田(でじでん)甲子園」鹿児島県推薦事業について 2023年2月24日更新
https://www.pref.kagoshima.jp/ac03/digiden-koshien.html
・活用事例60 鹿屋市
きもつき情報化推進センター
http://www.pref.kagoshima.jp/ab12/kyoudou/documents/80093_20200305152742-1.pdf
■肝付町
・広報きもつき August 2021 vol.194
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202108.pdf
・広報きもつき 令和5年2月号(No.212)
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202302.pdf
・暮らしのカレンダー(令和5年2月1日~2月 28 日迄)
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202302_28.pdf
・広報きもつき 令和4年12月号(No.210)
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202212.pdf
・暮らしのカレンダー(令和4年 11 月1日~ 11 月 30 日迄)
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202211_Part28.pdf
・広報きもつき 令和4年7月号(No.205)
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202207.pdf
・広報きもつき 令和4年4月号(No.202)
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202204.pdf
・広報きもつき 令和4年3月号(No.201)
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/kouhou202203.pdf
・こどもICT クラブ員募集!
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/1/20200812.pdf
・デジタル推進課
https://kimotsuki-town.jp/soshiki/dezitaru/index.html
・予算 2022年07月19日更新
https://kimotsuki-town.jp/soshiki/somuka/3/765.html
ー令和4年度当初予算編成方針
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/5/R4houshin.pdf
ー当初予算書
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/5/R4_ippan1.pdf
ー予算説明書
https://kimotsuki-town.jp/material/files/group/5/R4_setsumei.pdf
■facebook
・特定非営利活動法人きもつき情報化推進化センター
https://www.facebook.com/kinfocenter/
■たからのやま
・「ITふれあいカフェ」- 全国展開と高齢者向け検証事業のご案内
https://www.takaranoyama.net/business/it-fureai-cafe/
関連する図表・動画
● デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・【鹿児島県肝付町】地域のNPO法人が繋ぐデジタルの学び合い
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=F4dGBu4l6Rg
事例に関する問い合わせ先
デジタル推進課
Tel: 099-465-2513
E-mail: ict@town.kimotsuki.lg.jp
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