展開地域名: 沖縄県沖縄市
解決すべき課題
■本市の失業率は、7.2 %(2015 年)から 6.0 %(2020 年)に改善しているものの、依然として県平均(5.5 %)を上回り、特に若年者の失業率が高い状況が続いており、かつ、市民1人あたりの所得が、全国最下位である本県の中でもさらに低い水準にあることから、質の高い雇用の創出及び市民所得の向上に寄与する付加価値額の高い産業の振興が求められている。
● IoT や AI(人工知能)、ビックデータ、3D プリンタ関連技術を活用する情報通信関連産業における ICT 人材の需要は高く、平均所得も高い(民間給与実態統計調査結果より)ことから、プログラミングスクール等の「ICT人材育成」と、クラウドワーキング(テレワーク)による「ニアショア拠点形成」を通じて、本市の課題である高い失業率や県内でも低い水準にある市民所得を改善すべく、質の高い雇用の創出及び市民所得の向上に寄与する付加価値額の高い産業の振興が必要。
● 市では、モータリゼーションの発達や郊外の大型商業施設の進出などにより、商店街の空き店舗率が増加するなど、中心市街地の衰退、空洞化が課題。
解決の手法
■中心市街地の空き店舗を活用し、ワンストップ創業支援窓口(ワンストップ相談窓口)を「スタートアップラボ ラグーン」施設に設置。同施設内においてプログラミングスクール、コワーキングスペース、シェアオフィスを併設することで、外部から企業、民間投資、人材を流入させ、新たな産業を担うベンチャー企業の集積地形成(産業集積推進)を目的とした取組を行っている。
(沖縄市「窓口にて「特定創業支援等事業」の証明書を発行しています。」参照。)
【沖縄市「ワンストップ相談窓口」】
・沖縄市の創業支援施設「スタートアップ ラボ ラグーン(Startup Lab Lagoon)」において、創業に関する相談や関係機関・専門家への紹介等を行う。
・この相談は、沖縄商工会議所の創業相談と通算することができる。
(沖縄市「窓口にて「特定創業支援等事業」の証明書を発行しています。」より。)
● スタートアップ ラボ ラグーンでは、創業支援やICTに関するイベント、補助金活用講座等を随時開催している。
(沖縄市「沖縄市創業支援拠点「Startup Lab Lagoon(スタートアップラボ ラグーン)」について」より。)
● 2022 年 4 月よりスタートアップ ラボ ラグーンのある中心地街一体は「コザスタートアップ商店街」としてリブランディングされており、新たなスタートを切っている。
(PRTIMES 2022年4月28日 「沖縄市コザの一番街「コザスタートアップ商店街」として新ブランドで再始動 挑戦する意欲を持った人が集まるオープンイノベーション拠点として、新たなビジネス創出を支援」より。)
【コザスタートアップ商店街の4つの特徴】
1.共創を共創を生み出すコラボレーションスペース:
法人・個人問わず、一会員(席)からお試し進出が可能。シェアオフィスの利用をはじめとして、関連施設でのイベント開催や動画配信などができる。
2. 多様性あふれるコミュニティ交流:
起業家、エンジニア、外国人、デザイナー、進出企業、地域、学生、連携パートナーなどといった多様なコミュニティにアクセスできる。
3. 専門家・金融機関などとのマッチングによる事業創出支援:
事業創出支援をメインに、必要な人・情報・機会と効果的にお繋ぎし、起業や開業のジャンルを問わず、ビジネス創出に伴走する。
4. 学びと成長を生み出すプログラムの提供:
起業支援講座、アクセラレーションプログラム、エンジニア人材育成スクール、ビジネスピッチなどを定期的に開催。必要な知識を学びスキルを磨きながら、事業アイデアをブラッシュアップし、打席に立つ場を提供する。
(PR TIMES 2022年4月28日 「沖縄市コザの一番街「コザスタートアップ商店街」として新ブランドで再始動 挑戦する意欲を持った人が集まるオープンイノベーション拠点として、新たなビジネス創出を支援」より。)
解決における工夫点
・プログラミングスクールでは、低価格のオンラインプログラミング学習教材「Progate」を導入し、講義外でもクラウドで学習できる環境を整えることで、社会人やひとり親、学生でも個別の進捗に合せて学習できるよう工夫しており、令和 3 年度からは民間の取組として移行している。
・OJT や大学等と連携した IoT 研究開発事業等も行い、スクールカリキュラムと組み合わせることで、実戦的な学習環境をスクール生などに提供している。
・金融機関と連携した資金調達支援、投資育成講座等により、スクール生などの創業支援を行っている。
事例による成果
■中心市街地の空き店舗を活用し、商店街内にワンストップ創業支援窓口を設置することで、外部から企業、民間投資、人材を流入させ、空き店舗を減少させたほか、プログラミングスクール等を通して質の高い雇用の創出を実現した。
【創業支援について】
・これまで、約 2,200 件の創業相談支援を行い、そのうち約 350 名の創業支援を行った。
その結果、全国 1 位の開業率の沖縄県下において、令和元年度の創業相談件数(465 件)は最も多くなり、本事業以来、周辺商店街では、飲食店などが10 軒以上増加している。
【ICT 人材育成について 】
・プログラミングスクールを通して、400 名以上のスクール卒業生を輩出。学んだプログラミングスキル等を活用し 104 名が就職。また、創業者数(フリーランスとして独立も含む)は 27 名以上、転職 21 名以上となっている。
プログラミングスクール卒業生の中には、転職・昇進等も含め所得増を実現した事例もある。(例:受講前の年収 180 万円→卒業後 300 万円)
【シェアオフィスについて】
・MicrosoftBase が開設され、シェアオフィスとして 20 社以上が入居している。商店街内への誘致実績としては、EBI Lab、岡野バルブなどの DX 拠点が集積され、本事業で整備した施設を中心に商店街内にスタートアップエコシステムの更なる加速化が図られた。
・コワーキングスペースについて施設を活用したワーケーションを3社以上誘致した。
【今後の展望】
・中心市街地商店街の空き店舗を活用した本取組により、企業や起業家等の集積が進んできたが、その取組が民間主導でも始まっており、商店街内でソフト(ヒト・情報)とハード(施設・制度)が集まる「スタートアップ商店街構想」として動き出している。
・今後はそういった民間との連携を図りながら、これらの取組みを更に推進することで、将来的には、若者が育ち、新しい産業を生み出す ICT 人材とベンチャー企業の集積地となり、外部からの人材流入、企業の移転、民間投資が集まるまちとなることを目指す。
・また、本市の取り組みで得られたノウハウと起業家同士のネットワークを活かして、全国各地のスタートアップ拠点との連携を図りつつ、アジアに近い沖縄の地理的優位性等を活かしたスタートアップエコシステムの輪が広がるよう取り組んで行く。
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2019 年 5 月~継続運用中
参考資料
本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 沖縄県の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN
●2022年度 夏のDigi田甲子園
・沖縄県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/okinawa.html
・推薦調書
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/pdf/47-2.pdf
●デジ田メニューブック
・創業支援及びデジタル人材育成によるスタートアップエコシステムの形成
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/menubook/2022_summer/0158.html
■政府インターネットテレビ
・沖縄県沖縄市|創業支援及びデジタル人材育成によるスタートアップエコシステムの形成|夏のDigi田甲子園
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24796.html
■沖縄県沖縄市
・平成31年度(2019年度)施政方針 沖縄市
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/documents/2318/0002_1.pdf
・創業支援
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/sangyou/kigyoushien/sogyoushien/index.html
ー沖縄市創業支援拠点「Startup Lab Lagoon(スタートアップラボ ラグーン)」について 更新日:2022年3月1日
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/k032-001/sangyou/kigyoushien/sogyoushien/34359.html
ー法人設立ワンストップサービスについて
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/k032-001/sangyou/kigyoushien/sogyoushien/36429.html
ー起業家にやさしい町。沖縄市
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/k032-001/sangyou/kigyoushien/sogyoushien/3449.html
ー【我が街の新星紹介】輝く沖縄市の企業家たち!
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/k032-001/sangyou/kigyo
ー広報おきなわ 8 月号 10 ページ掲載「輝く沖縄市の企業家たち!」株式会社 Link and Visible 代表 豊里健一 郎 令和 2 年 6 月 30 日(火)インタビュー
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/documents/1426/toyotoyoaaaa28429.pdf
ーOKINAWA Startup Program2022-2023エントリー受付中!!
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/k032/sangyou/kigyoushien/sogyoushien/38724.html
・窓口にて「特定創業支援等事業」の証明書を発行しています。
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/documents/1786/shoumei.pdf
(2023/9/19現在非表示)
・企業誘致課 沖縄市経済文化部企業誘致課について 2022年11月2日https://www.city.okinawa.okinawa.jp/k032/shiseijouhou/gaiyou/soshikiannai/organize/988/993.html
・「夏のDigi田甲子園」で沖縄市が県代表に!
本市のスタートアップエコシステム形成の取組みが評価され、沖縄県代表に選ばれました。
https://wcity.okinawa.okinawa.jp/k010-002/contents/p00002.html
・企業誘致課 沖縄市経済文化部企業誘致課についてhttps://www.city.okinawa.okinawa.jp/k032/shiseijouhou/gaiyou/soshikiannai/organize/988/993.html
・生涯学習ハンドブック
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/documents/715/2020gaidobook.pdf
■Lagoon
https://startup-lagoon.okinawa/
・コラム 2022.12.14 東京ビジネスシーンの最前線から沖縄で挑戦する理由 株式会社琉球ウェルネス 道廣 敬典さん
https://startup-lagoon.okinawa/column/1549/
■コザスタートアップ商店街
https://www.koza.rocks/
ーPR TIMES
・2022年4月28日 「沖縄市コザの一番街「コザスタートアップ商店街」として新ブランドで再始動 挑戦する意欲を持った人が集まるオープンイノベーション拠点として、新たなビジネス創出を支援」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000098718.html?fbclid=IwAR0jPBHxkw14UIfg4rBgDxcZd3x9cLUwi29IVot_HPDu_vwaik-tcQ2-_hg
■琉球新聞
新興企業支援へ共同体 県内外45団体加盟 2022年12月17日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1633660.html
■まちかつ
・新たな拠点がコミュニティを作り出し、まちに新たな人の流れを作る! (第2回)(沖縄市)5
https://machi.smrj.go.jp/machi/public/example/170927okinawa04.html
関連する図表・動画
● デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・【沖縄県沖縄市】創業支援及びデジタル人材育成によるスタートアップエコシステムの形成
https://www.youtube.com/watch?v=5ZdJp9Awpq8
事例に関する問い合わせ先
経済文化部 企業誘致課
Tel: 098-929-3308(直通)
E-mail: koyoukigyoua53@city.okinawa.lg.jp
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