奈良県葛城市「「人」と「日常」と「AI」の融合~AIを活用した相談システムの構築~」

展開地域名: 奈良県葛城市

分野:
教育
子育て
子どもの不登校、引きこもり、自殺の回避対策
キーワード:
自動化
業務効率化
コミュニケーションツール
AI
IoT
GIGAスクール構想

←戻る

解決すべき課題

■新型コロナウイルス感染症の広がりにより、その影響は自殺者数の増加にも見られる。

● 誰にも相談することができず、不登校、引きこもり、そして自殺にいたるという課題を解決したい。

● 課題は日常にあるが、なかなか気づくことができない。子どもたちの慢性的な感染への不安、学級閉鎖・休校による孤立感、孤独感が増幅されるのを防ぐために対面しないでも相談できる体制の充実が必要。単なる SNS相談では実際に相談につながるケースは少ない。

解決の手法

■子どもが日常的に使っている道具を活用し、まずは相談の練習の道具として「仕掛け」を作る必要があると考え、AI を利用した対人相談に繋げるためのシステムを構築、実践。

● GIGAスクール構想で配布されている 1 人 1 台の端末を利用、学校生活の一部に AI相談室、「蓮花のAI相談室」を利用する時間を組み込んだ。

● 子どもが選択した表情のアイコン、入力した日記、アンケートなどについて AI が解析を行い、リスクの早期発見に役立てている。1 か月間のテスト運用を経て、2022 年 5 月から本格運用。

・AI には過去に悩みを抱えていた子どもが書いた文章などをあらかじめ読み込ませ、中学生には週に 1 回、タブレット上に匿名で日記を書いてもらい、文中に使われている単語や文脈に同じような傾向がないか解析する。

・そして何らかの支援が必要と AI が判断した場合には、周囲に相談するよう呼びかけるメッセージを自動で送る。

・AI に見守りをさせるのではなく、あくまで人に繋げる入り口として AI を用いている。

(NHK「子どもの悩みや不安 日記のAI解析で早期発見へ 奈良 葛城」参照。)

【子ども側】

・アイコン、日記、アンケートに加え、SNS相談を利用することができる。

【学校側】

・クラスの子どもの気分を一覧で確認することができる。

【運営管理(こども・若者サポートセンター)】

・ 実施利用は学校で行い、運営管理は臨床心理士が多く所属する「こども未来創造部こども・若者サポートセンター」が行う。

・ 臨床心理士が SNS相談を 1 件ずつ確認する。

・必要に応じて AIに代わり、臨床心理士が返信をする。

・ 一度発行されたアカウントは半永久的に利用するこができる。中学卒業後も AI相談システムを通して、切れ目のない支援と関わりを可能にしている。


● イニシャルコスト約 1000 万円のうち国庫補助金(厚生労働省の新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金)3/4 を活用

● 令和 3 年度事業費 9,900 千円(うち、新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金(厚労省) 7,425 千円)

解決における工夫点

● 子どもに馴染みやすい工夫で利用率アップを狙った。

・当地キャラの蓮花ちゃんを使用

・「相談しましょう」では二の足を踏んでしまう子もおり、利用率も増えないと考えることから相談を前面に出すのではなく、日常会話をメインにし会話をし続けることで相談に向けた準備をしている。

事例による成果

AI蓮花では 1 か月間のテスト運用、2022 年 5 月からの本格運用で累計 2000 件以上の利用実績を上げた。

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2022 年 5 月~継続運用中

参考資料

本事例は、「総務省 地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】令和4年9月2日」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■総務省

・地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】令和4年9月2日
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf

■葛城市

・【事業者決定】葛城市こども・若者サポートセンターAI相談システム導入業務に係る公募型プロポーザルを実施しました 更新日:2021年09月17日
https://www.city.katsuragi.nara.jp/soshiki/kodomo_wakamono/6060.html

 ー葛城市こども・若者サポートセンター AI相談システム導入業務委託プロポーザル実施要項
https://www.city.katsuragi.nara.jp/material/files/group/21/youkoukowaka.pdf

 ー「葛城市こども・若者サポートセンターAI相談システム」導入業務仕様書
https://www.city.katsuragi.nara.jp/material/files/group/21/koyousyo.pdf

 ー機能要件書
https://www.city.katsuragi.nara.jp/material/files/group/21/kinoukowaka1.pdf

・白鳳中学校のホームページへようこそ!
 ー「連花のAI相談室」の導入につきまして 令和4年5月13日
https://www.city.katsuragi.nara.jp/material/files/group/51/renkaai.pdf

・教育相談・不登校支援 更新日:2022年09月28日
https://www.city.katsuragi.nara.jp/soshiki/kodomo_wakamono/5/1179.html

・こども・若者総合相談窓口(こども・若者サポートセンター )
https://www.city.katsuragi.nara.jp/soshiki/kodomo_wakamono/1/1/906.html

■蓮花のAI相談室ログイン
https://www.airenka.jp/login.php

■教育新聞

・生徒の悩みをAI診断 1人1台端末を活用、奈良県葛城市 2022年3月31日
https://www.kyobun.co.jp/news/20220331_03/

■NHK

・子どもの悩みや不安 日記のAI解析で早期発見へ 奈良 葛城 2022年3月28日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220328/k10013555461000.html

事例に関する問い合わせ先

葛城市 こども・若者サポートセンター
Tel: 0745-48-8639
お問い合わせフォーム:https://www.city.katsuragi.nara.jp/cgi-bin/inquiry.php/20?page_no=905

※ 葛城市こども・若者サポートセンターは、福祉と教育の協働を目指して妊娠期から 40 歳までの切れ目のない支援を目指して設置された画期的な組織。

本事例についてのご要望

本ページ掲載事例の、項目の追加・修正・削除等のご要望は地方公共団体DX事例データベースに対するご要望フォームよりお寄せください。

PAGE TOP