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機構について

設立の目的

国や地方公共団体、公益事業者等(以降「公共機関」と言う)の組織内で利用されていた情報のオープン化と、企業や市場で活用される情報を含めたビッグデータによる新たなサービスやビジネスに対しては、欧米を含めて世界中で期待が高まり、様々な取組が活発化しています。これらの動きを受けて日本では2012年7月4日に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)において、「電子行政オープンデータ戦略」が策定され、2012年11月にIT戦略本部に設置された「電子行政オープンデータ実務者会議」では、府省の保有するデータのオープンデータ公開に向けた作業が進められています。そして、2013年12月末には政府データカタログサイトの試行版が公開され、2014年10月1日には正式運用が開始されました。また2012年7月には産官学が共同でオープンデータ流通環境の実現に向けた環境整備を推進することを目的としてオープンデータ流通推進コンソーシアムが設立され、オープンデータの利用ルールや技術に関する検討、及び普及・啓発活動を行っています。

諸外国を見ると、2013年6月に英国で開催されたG8サミットで「オープンデータ憲章」が合意され、G8各国は2015年末までにキー・データセットを公開することが求められることになりました。これを受けて、日本では2013年10月29日に「オープンデータ憲章アクションプラン」が各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議において決定され、キー・データのデータセットの公開スケジュールを公表しています。

公共機関が保有するデータは貴重な資産・資源であり、オープンデータの流れを受けて公開が進められているにも関らず、現在、必ずしも有効に活用されていません。諸外国と同様、我が国でも、この資産・資源を有効に活用することで、国民への公共サービスの向上や効率化はもとより、透明性向上、企業活動の効率化、新たなサービスやビジネスの創出などが期待されるところであります。オープンデータのもたらす経済効果については、欧州委員会に提出された調査結果をGDP比から日本に置き換えた試算として、市場規模が約1.2兆円、経済波及効果が約5.5兆円との推定が紹介されています。

オープンデータの推進のためには、公共機関が自ら積極的にデータを公開することに加えて、民間保有データとのマッシュアップを考慮したデータ形式の標準化や、民間保有データのうち公共性の高いものの流通・活用促進など、公共機関保有データと民間保有データの間をシームレスに繋ぐとともに、公共機関保有データと民間保有データをビッグデータとして利活用していくことが、新たなサービスやビジネスの創出などにつながると考えます。

国・地方公共団体の保有するデータの公開の仕組みが整えられてきている一方、公共機関のデータの公開は進んでおらず、データをマッシュアップすることによる新たなサービスやビジネスの創出はまだ限定的です。これからは、公共機関が協力して、データを公開すると共に、国・地方公共団体のオープンデータと組み合わせる仕組みを整備することが重要と考えます。

公共機関が保有するデータのオープンデータ公開を推進し、国・地方公共団体が公開したデータと組み合わせてビッグデータとして利活用することによって新たなビジネスを創出し、地方創生を推進するとともに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも見据えた経済の活性化を行うための組織として、比較的自由度の高い運営が可能な一般社団法人の形態を前提に、オープンデータ流通推進コンソーシアムの成果を引き継いで、一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構を設立いたしました。