東京都板橋区「よろず相談DXーDX事業化をトータルでコンサルタント支援」

展開地域名: 東京都板橋区

分野:
自治体組織内改革
キーワード:
自動化
業務効率化
人材育成
ワークフロー
コミュニケーションツール
AI
IoT

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解決すべき課題

■DX を推進するにあたって、IT推進課では、IT ツールの調達とシステム運用のみを行い、所管課に対する企画や技術的支援を行っていなかった。ツールも RPA のみで、結果としての実績は芳しくなかった。

解決の手法

■DX を推進していくためには、変革を実現するツールを業務に効果的に取り入れることが重要。業務に精通した所管課と、ツールに精通した IT推進課が二人三脚で連携することで DX が実現する。そこで、業務のトランスフォーメーションを見据えたツール導入の仕組みとして、「よろず相談 DX」を立ち上げた。

●「よろず相談DX」とは、区の各部署が行う事業について、IT推進課職員が所管課に寄り添いながら、事業化に向けた業務分析、予算化に向けた事業計画、システム設計、システムの実装・導入までをトータルでコンサルタント支援する事業。新規事業計画から業務改善まで、幅広いテーマを支援の対象としているが、オンライン申請、自動化ツール、ローコードツールなど、特に導入効果の高いツール活用を促し、区民サービスを最大化するべく全庁的な DX推進に貢献するもの。

(板橋区「「Tokyo区市町村DXaward2023」業務改善部門の『大賞』を受賞しました!」、「「板橋区 DX 推進計画 2025(仮称)」後期実施計画(素案)」参照。)

● 本事業を始めるにあたって、ツールの拡大を図っていった。合わせて、IT推進課の役割に導入支援を明確に位置付けて、技術的コンサルテーションのスキル習得に励んだ。それにより、「よろず相談DX」が始まり事業化支援を行っていった。

● IT推進課では、スキルを磨く勉強会を課内で頻繁に開催。各職員の技術的な研鑚はもちろん、資料の作成、プレゼンテーションまで、コンサルテーションに関連するスキルも磨いている。この勉強会は、「よろずDX相談」の事業化支援に寄与している。

● 同時に、ツール利用促進を目的として、庁内職員向けにRPA、AI-OCR、LoGoフォーム、ChatGPT活用の研修会も行った。

<研修会の事例>

・ChatGPT の研究:

 - 実証実験と職員研修の実習を行っている。実証実験では LlamaIndex(ラマインデックス)とPython(パイソン)を使ったアプリケーションを実装し、区の独自のデータである福利厚生規則を回答するGPT(Generative Pretrained Transformer)を実装した。

 - 研修では、研修資料を全てIT推進課職員で作成し、セキュリティーから法律解釈、プロンプトの活用等を含めた講義を全て同職員で内省し実施している。

● 様々な事業化支援のなかで、区のイベントのライブ配信について、費用面の課題があったが、外部委託をせずに職員がディレクターとなり、気軽にイベント配信ができるスキームを構築した。

● また、児童相談所の業務改善のために、紙ベースの相談業務の分析を行い、3 か月に亘って丁寧なコンサルティングを行った。

● 更に、区の予算の概要をPDF化してWEB上で公開していたが、BIツールを駆使することで、一目で状況を把握しやすく、年度比較ができるような仕組みを、外部委託せずに職員のみで取り組んだ。

事例による成果

■板橋区の DX化が加速していった。

● 令和 4 年で 34 件、令和 5 年で 33 件の相談実績ができ、結果としてツールの活用が拡大した。

・RPA はほぼ倍増の 36 件(令和 5 年 10 月 1 日現在)、契約業務等の削減で 1065 時間の削減(令和 4 年までの合計)に成功。

● 事業化支援では、「書かない窓口システム導入支援」、「絵本のまち」のイベントデータ分析* といったものも、「よろず相談DX」から始まった。

*「絵本のまち」のイベントデータ分析については次のリンク先を参照:https://www.vled.or.jp/dx-cases/?id=292

● ライブ配信について、祭りのなかでの阿波踊りのイベント、プロレスのイベント等の中継を職員で行い、祭りの動画の再生回数は 7000 回にのぼった。

● 児童相談所の業務改善について、所管課と協議を重ね、ローコードツールで関係機関との情報の共有化を図り、円滑化を進めていった。

(板橋区「考えろ。未来を創造するビジョン。相談しよう!そうしよう!よろず相談DX」参照。)

● 2024 年 3 月に「予算の見える化ボード」を一般公開。一目で板橋区の予算概要が分かり、年度毎の絞り込み・前年度比較等を簡単に操作でき、把握できる状態にした。

● 本取り組みは、Tokyo 区市町村DXaward(東京都主催)の業務改善部門で大賞を受賞した。(2023 年 11 月)

【今後の展望】

ツールを活用した変革を生んでいくのは人である人財。この取り組みを始めて、板橋区は生まれ変わったのではないかと手応えを感じている。
コンサルタントの行動理念は、これからの人財育成の鍵を握ると思われる。コンサルタント業務を個人や部門で閉じず、区役所全体、東京都全体に広げることで、DXを強力に推進し、住民のQOL向上に努めて行きたい。

(板橋区「考えろ。未来を創造するビジョン。相談しよう!そうしよう!よろず相談DX」参照。)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

令和 4(2022)年~継続運用中

参考資料

本事例は、「東京都デジタルサービス局 Tokyo区市町村DXaward2023(11/17開催)」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■東京都デジタルサービス局

・Tokyo区市町村DXaward2023(11/17開催)
https://www.youtube.com/watch?v=E0PBWugM8zk

■東京都

・「Tokyo区市町村DXaward2023」を開催します 2023年11月07日
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/11/07/10.html

■板橋区

・考えろ。未来を創造するビジョン。相談しよう!そうしよう!よろず相談DX
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/049/661/051120dx2.pdf

・「Tokyo区市町村DXaward2023」業務改善部門の『大賞』を受賞しました! ページ番号1049662  更新日 2023年11月20日
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kusei/seisakukeiei/promotion/1040295/1049662.html

・予算の見える化ボード ページ番号1052408  更新日 2024年3月29日
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kusei/zaisei/yosan/1052408.html

・「板橋区 DX 推進計画 2025(仮称)」後期実施計画(素案) 
企 画 総 務 委 員 会 資 料 令 和 5 年 1 1 月 8 日 政 策 経 営 部 I T 推 進 課
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/049/478/r51108_ki_1-2-2.pdf

・「板橋区 ICT 推進・活用計画 2025」令和 4 年度実績報告について
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/031/411/houkoku4.pdf

・第45回農業まつり(令和4年度)ページ番号1040756  更新日 2022年11月17日
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bousai/nougyo/event/matsuri/1040756.html

関連する図表・動画

● 板橋区
・予算の見える化ボード
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kusei/zaisei/yosan/1052408.html

事例に関する問い合わせ先

板橋区政策経営部IT推進課
Tel: 03-3579-2019

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